塗想ブログ
第139弾:【長崎の台風被害】火災保険の写真はどう撮る?|遠景・近景・室内の撮影方法
2026年07月13日(月)
台風や強風の後に、屋根・雨樋・外壁などの破損や雨漏りを見つけたとき、
「火災保険を申請するなら、写真が必要なの?」
「どこを、どの角度から撮ればいい?」
「もう片付けてしまったけれど大丈夫?」
「屋根の写真を自分で撮らないといけない?」
と迷う方も多いと思います。
結論から言うと、写真は上手に撮る必要はありません。
大切なのは、どの建物の、どの場所が、どのくらい壊れたのかが分かるように残すことです。
片付けや修理が必要な場合でも、可能な範囲で作業前の被害状況を撮影しておくと、その後の確認が進めやすくなります。保険会社も、被害写真や修理見積書などをもとに損害状況を確認する場合があります。(MSインシュアランス FAQ)
今回は、台風被害を見つけたときに撮っておきたい写真を、スマートフォンで撮影する順番に沿って説明します!
まず結論:写真は「遠景・中景・近景・室内」の順番
最低限、次の4種類を残しましょう。
1. 建物全体が分かる遠景
2. 被害箇所の位置が分かる中景
3. 壊れ方が分かる近景
4. 室内被害が分かる写真
余裕があれば、別の角度からも撮影します。
保険会社の案内でも、建物や損害箇所の全体像、損害の程度が分かるよう、距離や角度を変えて複数枚撮影することが勧められています。東京海上日動では、目安として少なくとも5枚以上の撮影を案内しています。(東京海上日動)
最初に撮っておきたい写真7枚
① 建物全体が分かる写真
まずは、道路や敷地内の安全な場所から、建物全体を撮影します。
・ 正面から1枚
・ 斜め方向から1枚
・ 可能なら反対方向から1枚
建物全体を写す理由は、被害箇所が建物のどこにあるのかを確認しやすくするためです。
屋根だけ、雨樋だけを大きく撮影しても、どの面のどの位置なのか分からない場合があります。
スマートフォンを横向きにすると、建物全体を写しやすくなります。
② 被害箇所と周辺が一緒に写る写真
次は、被害箇所の周辺を含めて撮ります。
例えば雨樋が外れている場合は、
・ 外れた雨樋
・ その上の屋根
・ 周辺の外壁
・ 建物の角
が一緒に分かるように撮影します。
屋根材が落ちている場合は、落下した部材だけでなく、落ちてきたと思われる屋根面との位置関係も残します。
この写真があると、「建物のどこが壊れたのか」を説明しやすくなります。
③ 被害部分を近くから撮った写真
安全に近づける範囲で、破損部分を大きく撮ります。
撮影したい例は、
・ 瓦や屋根材の割れ
・ 棟板金の浮き
・ 雨樋の割れや外れ
・ 外壁のへこみ
・ 飛来物による傷
・ 窓ガラスの割れ
・ シーリングの剥がれ
・ 防水層の破れ
などです。
ピントが合っているか、その場で一度確認しましょう。
暗くて分かりにくい場合は、少し角度を変えて何枚か撮影してください。
④ 別の角度から撮った写真
一方向から見ると小さく見える破損でも、横から見ると浮きや変形が分かることがあります。
可能であれば、
・ 正面
・ 左斜め
・ 右斜め
など、角度を変えて撮影します。
同じような写真に見えても、保険会社や施工業者が破損状態を確認する際には役立つことがあります。
⑤ 大きさが分かる写真
安全に近づける場合は、破損部分の大きさが分かる写真も残します。
例えば、
・ メジャーを添える
・ 定規を近くに置く
・ 外壁目地や窓との比較ができるように撮る
などです。
ただし、無理に壊れた部材を動かしたり、屋根へ上がったりする必要はありません。
破損した状態を変えないことと、安全が最優先です。
⑥ 室内全体が分かる写真
雨漏りが発生している場合は、部屋全体の写真を撮ります。
・ どの部屋か
・ 天井のどの位置か
・ 窓からどのくらい離れているか
・ 外壁側か、部屋の中央か
が分かるように撮影します。
(例)

シミだけを大きく撮るのではなく、最初に少し離れて部屋全体を写すのがポイントです。
⑦ 雨漏り箇所を近くから撮った写真・動画
最後に、室内の症状を近くから記録します。
・ 天井から水滴が落ちている
・ 壁を水が伝っている
・ 窓の上から水が出ている
・ 壁紙が膨らんでいる
・ 天井に新しいシミがある
・ 床や家具が濡れている
(例)

水が動いている場合は、10秒から30秒程度の動画も残しておきましょう。
動画は水量や水の出方を施工業者へ伝える補助になります。
ただし、保険会社から必要書類として写真を求められる場合もあるため、動画だけで終わらせず、静止画も撮っておくと安心です。
雨漏り写真は「引き・寄り・水の流れ」
室内の雨漏りは、次の3点セットで撮ると伝わりやすくなります。
引きの写真
部屋全体と雨漏り箇所の位置関係が分かる写真です。
寄りの写真
水滴、シミ、壁紙の膨らみなど、症状が分かる写真です。
水の流れ
どこから出て、どこへ流れているかが分かる写真や動画です。
「水が落ちている天井だけ」ではなく、天井から壁、床までを順番に撮影しましょう。
台風後の撮影で安全上やってはいけないこと
① 屋根へ登る
屋根材や板金が濡れていると、非常に滑りやすくなります。
また、見た目では問題がなさそうでも、屋根材が浮いていたり、下地が弱っていたりする可能性があります。
屋根の上の写真は、専門業者へ依頼してください。
② 雨や風が強い中で脚立を使う
雨樋や外壁の写真を撮るために、脚立を使用する必要はありません。
風が残っている時は、物が飛んでくる危険もあります。
地上から見える範囲だけで十分です。
③ 壊れた部材を元へ戻す
外れた板金、瓦、雨樋などを自分で戻そうとすると危険です。
また、修理前の破損状態が分からなくなることもあります。
触る前に写真を撮り、そのまま施工業者へ相談しましょう。
④ 電気設備の近くで撮影する
照明、コンセント、分電盤の近くが濡れている場合は、写真を撮るために近づかないでください。
写真よりも安全が優先です。
異音・火花・焦げたような臭いがある場合は、濡れた設備へ触れず、専門業者へ連絡しましょう。
応急処置や片付けをする前に撮影する
生活に支障がある場合や、そのまま放置すると危険な場合は、片付けや応急修理を進めることがあります。
その場合は、可能な範囲で、
1. 応急処置前
2. 作業中
3. 応急処置後
の写真を残しましょう。
保険会社の公式案内でも、生活に支障がある場合は片付けや修理を進められる一方で、可能な範囲で作業前の被害箇所を撮影するよう案内されています。(MSインシュアランス FAQ)
落ちた瓦や壊れた部材はどうする?
落下した瓦、板金、雨樋などは、危険がなければすぐに処分せず、まず写真を撮ります。
撮影する内容は、
・ 部材全体
・ 割れた部分
・ 落ちていた場所
・ 建物との位置関係
です。
安全上の理由で処分しなければならない場合は、
・ 何を処分したか
・ 何個あったか
・ いつ処分したか
をメモしておきましょう。
すでに修理や処分をして写真が残っていない場合も、状況を記録したうえで、保険会社へ相談するよう案内されています。(東京海上日動)
撮影日時も一緒に記録する
写真だけでなく、スマートフォンのメモなどへ、次の内容を残しておきます。
・ 撮影日
・ 台風や大雨が発生した日
・ 被害に気づいた時間
・ 雨漏りが始まった時間
・ 風が強かった方向
・ 過去に同じ症状があったか
例えば、
「7月○日午前8時、台風通過後に北側の雨樋外れを発見。前日午後10時ごろから強風。室内雨漏りはなし」
この程度で大丈夫です。
スマートフォンの写真に日時情報が残っていても、別に簡単なメモを作っておくと、後から状況を説明しやすくなります。
写真を撮る時によくある失敗
失敗① 近い写真しかない
破損自体は分かっても、建物のどこなのか分からなくなります。
必ず建物全体と周辺も撮影しましょう。
失敗② 遠い写真しかない
建物全体は分かっても、割れ・浮き・へこみの程度が確認できません。
安全に撮れる場合は、近くからも撮影します。
失敗③ 写真が1枚だけ
一方向だけでは、破損の形や範囲が分からないことがあります。
角度と距離を変えて複数枚残しましょう。
失敗④ ピントが合っていない
雨や暗さで写真がぼやけることがあります。
撮影後に画面を拡大して、破損部分が見えるか確認してください。
失敗⑤ 修理後の写真しかない
補修後の写真だけでは、元の破損状態が確認しにくくなります。
緊急時でも、安全な範囲で作業前の写真を残しましょう。
失敗⑥ 写真を加工する
明るさの調整程度であれば見やすくなる場合もありますが、破損部分を書き換えたり、不要な箇所を消したりしてはいけません。
元の写真は、そのまま保存しておきましょう。
失敗⑦ 危険な場所へ入る
「写真を撮らなければ保険が使えない」と考えて、屋根や高所へ上がる必要はありません。
撮影が難しい場所は、保険会社や施工業者へ伝えてください。
安全に撮れない写真は、専門業者に任せましょう。
施工業者へお願いしたい写真
高所や屋根部分は、調査を行う施工業者へ撮影を依頼します。
お願いしたいのは、次の写真です。
・ 建物全体
・ 被害箇所の位置
・ 破損部分の近景
・ 別角度からの写真
・ 寸法が分かる写真
・ 応急処置前
・ 応急処置後
・ 撤去した部材
・ 工事中の状態
・ 工事完了後
あわせて、写真と見積書の工事項目が対応していると、修理範囲を確認しやすくなります。
写真があれば必ず保険金が支払われる?
写真は、被害状況を確認するための大切な資料です。
ただし、写真を提出すれば、必ず保険金が支払われるという意味ではありません。
保険会社は、
・ 加入している契約内容
・ 被害の原因
・ 発生時期
・ 破損の程度
・ 写真
・ 修理見積書
・ 必要に応じた現地確認
などをもとに判断します。
写真だけでは損害の範囲や見積内容を確認できない場合、鑑定人などによる現地調査が行われるケースもあります。(東京海上日動)
写真は保険金を約束するものではなく、起きた被害を正確に伝えるための資料です。
保険会社へ連絡する時のテンプレ
「台風後に建物の破損が見つかったため、火災保険の対象になるか確認したいです。
【被害に気づいた日】〇月〇日
【被害箇所】屋根/雨樋/外壁/窓/室内など
【被害状況】外れ/割れ/浮き/雨漏りなど
【写真】建物全体・被害箇所・室内写真があります
【応急処置】まだ行っていない/実施済み
提出する写真の種類と、修理前に必要な手続きについて教えてください。」
施工業者へ依頼する時のテンプレ
「台風後の建物被害について、火災保険の確認も検討しています。
調査の際は、
・ 建物全体
・ 被害箇所の位置
・ 破損部分の近景
・ 別角度
・ 寸法
・ 応急処置前後
が分かる写真をお願いします。
見積書には、被害箇所・修理範囲・数量・施工方法が分かるように記載してください。
保険対象になるかどうかは、保険会社へ確認してから判断します。」
ヌリケン・プラスへご相談いただく方へ
ヌリケン・プラスでは、台風後の建物調査を行う際、
・ 建物全体
・ 被害箇所の位置
・ 破損状況
・ 室内の雨漏り
・ 応急処置前後
・ 修理が必要な範囲
が分かるように写真を残します。
屋根や高所など、お客様が撮影できない場所は、無理に撮っていただく必要はありません。
「写真をどう撮ればよいか分からない」
「すでに雨が止んでしまった」
「一部を片付けてしまった」
「この写真で足りるか見てほしい」
という段階でも大丈夫です。
まずはお手元にある写真を送ってください。
不足している写真や、現地で確認する必要がある場所を一緒に整理します。
まとめ:写真は「建物全体から被害箇所へ」順番に撮る
台風被害の写真は、次の順番で撮りましょう。
1. 建物全体
2. 被害箇所と周辺
3. 被害部分の近景
4. 別の角度
5. 大きさが分かる写真
6. 室内全体
7. 雨漏り箇所の近景・動画
片付けや応急処置が必要な場合は、可能な範囲で作業前後の写真を残します。
ただし、写真を撮るために屋根へ登ったり、雨の中で脚立を使ったりする必要はありません。
写真よりも、ご自身とご家族の安全が最優先です。
きれいな写真でなくても大丈夫です。
遠くから1枚、少し近づいて1枚、被害部分を1枚。
この順番で撮るだけでも、被害状況は伝わりやすくなります。
分からない場合は、撮影した写真をそのままお送りください。
不足している情報を、一緒に確認しましょう。
※実際に必要となる写真・書類・調査方法は、加入している保険契約や保険会社の判断によって異なります。
株式会社ヌリケン・プラス 代表 萩岡幸洋
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